抗がん剤副作用軽減鍼灸アロマトリートメント・吐き気・末梢神経障害・倦怠感軽減・乳房切除後疼痛症候群

鍼灸治療+アロマトリートメント
・鍼灸治療による抗がん剤副作用(末梢神経障害(CIPN)・しびれや痛み・吐気・嘔吐・食欲不振・倦怠感 等)、緩和ケア(乳房切除後疼痛症候群(PMPS)は医学的に裏付けをされた効果があると認められています。
・アロマトリートメントによる末梢神経障害改善
がん患者さんにおけるアロマトリートメントの効果について研究した結果、疼痛・倦怠感・呼吸困難・不安・うつに対する優位な改善が報告されています。
※抗がん剤治療中の鍼灸治療は基準を満たし部位を選べば治療可能です。
感染のリスクを考慮して好中球(Stab+Seg)と血小板PLTの採血の値をうかがわせていただくようにしております。
抗がん剤の副作用が重篤なものでない限り大多数の方が鍼灸治療をうけることができます。
鍼灸を避ける部位
・腫瘍または潰瘍
・リンパ浮腫またはその傾向がある部位(蜂窩織炎を防ぐため)
・腋窩切開を行った患者さんの同側部位
・人工器官
癌そのものを消失させたり、小さくすることはできませんが抗がん剤治療による副作用を抑え癌の症状そのものの不快感を緩和ケアで癌サバイバーの方たちの日常生活が少しでも楽になるように治療をさせていただきます。
鍼灸治療は民間療法と違いエビデンスというものが存在します。
医学的に効果に裏付けのあることを問診を進めながらエビデンスを用いて説明をさせていただくようにしております。
※サプリや漢方などはサロンでは取り扱っておりません。患者様の希望があればセルフケアに使うお灸などを低価格で提供はしますがウィッグや医学的に裏付けのないサプリ、治療法を患者様に進めたりすることは一切いたしません。行っているものは施術のみです。
【抗がん剤誘発性嘔気・嘔吐の軽減】

抗がん剤治療は使う薬剤の催吐性の度合いによって
・最小度
・軽度
・中等度
・高度
の4つの段階にわかれていきます。
催吐性リスクの高い薬剤が使用される場合は抗がん剤の使用時に制吐薬投与(セロトニン受容体拮抗薬やニューロキニン1受容体拮抗薬など)が行われます。
制吐薬による予防治療が行われても嘔吐の完全な克服はいまだにむずかしく、抗がん剤治療中のがん患者さんの約4割が制吐薬の予防治療を受けたのにもかかわらず吐き気を経験してしまいます。
シスプラチン誘発剤の嘔気・嘔吐への鍼刺激はとくに急性期に効果があり抗がん剤治療を始める前から鍼灸治療を受けることをおすすめします。
問診でも説明をさせていただきますが、抗がん剤初期投与直前・抗がん剤投与後期に鍼灸治療を取り入れることにより嘔気・嘔吐の予防効果が期待できます。
Q&A
Q,治療は度のタイミング、頻度で通うと効果的ですか?
A,鍼灸治療は抗がん剤をはじめる直前と嘔吐がひどいときにお越しいただけますと効果的です。嘔吐だけでなく末梢神経障害や倦怠感の治療も同時に行わせていただきます。
【抗がん剤誘発性の末梢神経障害】

抗がん剤による末梢神経障害は抗がん剤治療終了後1ヶ月以内で68%、3ヶ月後に60%、6ヶ月以降に30%認めることが多く抗がん剤治療から時間が経ってもしびれ感が残ってしまうことが多いです。
発生率は使う抗がん剤によって異なり
・シスプラチン(12〜85%)
・オキサリプラチン(急性85〜96%、慢性40〜93%)
・パクリタキセル(61〜92%)
・ボルテゾミブ(47%)
・ビンクリスチン(20%)
で発生率が高い傾向にあります。
軸索障害はパクリタキセル・ビンクリスチン・ボルテゾミブで多くみられ手足の末端からはじまる手袋靴下型のしびれ感がでることが多くあります。
神経細胞体障害は、シスプラチンやオキサリプラチンといった白金製剤で表れやすくしびれ感が手足首や体幹や顔面にも発症することが多くあります。
❀施術の流れ❀
1.治療の説明を足湯をさせていただきながら行います。
手足をあたためていくことでしびれがとれやすくなっていきます。
倦怠感や吐き気がある場合はその治療も一緒に行っていきます。
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2.手足のツボに鍼とお灸を併用して治療を行っていきます。
じんわりと血流がよくなる感覚を感じます。
抹消の血流をよくするため鍼を打ったあと電気を流していきます。
乳がんや子宮体がん、卵巣がんでリンパ郭清をおこなった方はその部位を避けるようにします。(蜂窩織炎を防ぐため)腋窩切開を行っている患側も避けさせてもらいます。


3.抹消の血流をよくするため手足にアロマトリートメントを行います。

軸索障害は、インターフェロンで発生しやすいが最近は使用される頻度が少なくなってきています。
抗がん剤誘発性末梢神経障害に対して確立された治療法はほとんどない状態で、デュロキセチンが効果的といわれますが傾眠・悪心・高血糖・便秘・めまいなどの副作用が出やすいデメリットもあります。
鍼治療は抗がん剤に起因する神経因性の痛みを軽くしてくれるさまざまな鎮痛作用・神経保護作用をもっていることが明らかにされています。
鍼灸がどのようにしびれに作用するかも初診の際にグラフや効果の作用機序の画像を用いながら患者様が理解できるまで丁寧に説明させていただきます。
Q&A
Q,神経障害の痛みやしびれがどの程度であったら有効的ですか?
A,神経障害の程度が軽度な状態で治療をうけたほうが効果が出やすいです。
感覚神経の障害が重い場合、鍼灸刺激に対する反応が減弱する可能性があります。
Q,抗がん剤をはじめるにあたって神経障害が出でくるのが怖いので抗がん剤を始める前に鍼灸治療をすると少しでもしびれを抑えることはできるのでしょうか?
A,神経障害が出る前に鍼灸治療を行うのも効果的です。
オキサリプラチン誘発性の末梢神経障害に対して鍼灸治療は予防効果があることが報告されています。
【抗がん剤誘発性の倦怠感軽減】

抗がん剤治療を行っているがん患者さんの約80%が倦怠感を経験しています。
がんの治療終了後も1〜5年は35%、5〜10年では34%という長期にわたって倦怠感が続く場合もあります。
倦怠感は患者様にとっていちばん苦痛な症状でありお仕事と並行されて抗がん剤治療をしている患者さんにとってはつらい状況が続いてしまうことがよくあります。
抗がん剤による倦怠感の薬剤療法の選択肢は少なくメチルフェニデートなどがありますが保険適応外になり、ステロイドは易感染性、胃腸障害、血糖上昇など多くの副作用の問題があるため患者さんの状態を見極めながら検討していくことが多いです。
倦怠感を引き起こすのは薬剤だけでなく患者さんの心理的状況・睡眠障害・抑うつ・身体的症状など様々な背景があるためその要因に対しても自律神経の調節や体の痛みやしびれなどの治療もあわせて行っていきます。
Q&A
Q,抗がん剤による倦怠感でほかの治療もうけていますが鍼灸も同時にうけることはできるのでしょうか?
A,他の治療と併用しながら鍼灸をうけたほうが鍼灸治療自体の効果も実感しやすくなります。抗がん剤誘発性倦怠感の発生にはさまざまな病態がかかわってきているため鍼灸治療と他の異なる作用をする治療が同時に実施されることで相互作用が起こるためです。
現代医学的治療と併用した場合、倦怠感における鍼灸治療の効果が上昇することが報告されています。
【乳房切除後疼痛症候群(PMPS)・ホルモン療法による更年期障害軽減治療】
女性が生涯で乳がんに罹患する確率は11人に1人と発表されています。
乳がんサバイバーの代表的な苦痛として、手術後の慢性疼痛(約50%)・抗がん剤による末梢神経障害(30〜50%)・ホルモン治療による更年期障害、ホットフラッシュや倦怠感(約60%)が挙げられます。
鍼灸治療でこれらの症状をすべて緩和することができます。
乳がん手術後であってもうつ伏せで寝れる胸の部分がポッカリと開いている枕も用意しておりますので肩関節の痛みやしびれの治療でうつ伏せにならなくてはいけない場面でも胸の圧迫なく治療ができます。
ホルモン療法によるホットフラッシュ・倦怠感も鍼灸が有効です。
鍼灸は薬剤と違って副作用のない体に優しい治療です。
お家でもできるセルフケアも施術の際にお伝えさせていただきます。
【がん治療中の倦怠感の緩和治療】
・鍼治療による呼吸補助筋の緊張の緩和、疲労改善
倦怠感を訴える患者さんの多くは呼吸補助筋(息を吸ったり、吐いたりする筋肉)が固くなっていることが多い。鍼治療によって深呼吸をするときに使う横隔膜付近の筋肉の可動性や呼吸補助筋の機能回復を図ります。
また、慢性的に呼吸が苦しいと感じる患者さんは首から背中、腹部に筋肉の緊張がみられるため部分的な鍼治療ではなく、くまなく全身的な治療を行っていきます。
がん患者さんにおけるアロマセラピーの効果について研究した結果、疼痛・倦怠感・呼吸困難・不安・うつに対する優位な改善が報告されています。
・ユーカリ
抗炎症作用をもち気管支粘膜の絨毛を活性化さることで炎症を抑え痰や粘液を減少させる効果があります。ユーカリは風邪薬のヴィックスヴェポラップにも含まれており気管支喘息・副鼻腔炎などの呼吸器障害の改善にも効果的です。
・サイプレス
鎮咳作用・抗炎症作用を持ちます。森林の空気によく含まれる成分で森林浴をしたような爽快感があります。そのほかむくみにも効果的です。
・ラベンダー
すぐれた鎮静作用・抗不安作用をもち精神的なリラックス効果が期待できます。
生物実験では体の中で麻酔の作用をもち筋肉のけいれんなどの予防作用もあります。
このうちお好きなアロマを選んでいただき施術中はディフューザーで室内を香りで包み込みます。
・呼吸困難時の施術の体制について
呼吸困難の場合、仰向けでの体制がとてもしんどいことが多いです。
サロンではリクライニング式のベッドを使用しておりますので仰向けの体勢よりも呼吸をしやすいように配慮しながら施術を行っていきます。